原則としてカードローンの利用は就職に影響なし!
「カードローンを利用する=借金」と同義ですから、1度でもカードローンを利用したことのある就活生や職探しをしている方は「もしかしたら信用が低くて落とされるかもしれない」と恐れているかもしれません。
先に結論を述べておくと、カードローンの利用が就職の選考に影響することは一切ありません。
企業が応募者の信用情報を、選考に使用することは禁じられています。
- 自分たちの会社に適した人物なのか?
- 自分たちの会社でやっていける能力があるのか?
企業は主に上記の2つだけを基準にして採用しなければなりません。
過去にカードローンを利用していたかどうか、というのは健全な選考に不必要な要素なのです。
信用情報の勝手な利用は規約違反!
カードローンのみならずクレジットカードや各種ローンなど、金融機関での信用情報(取引記録)は3つの信用情報機関に記録されています。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- CIC
- 日本信用情報機関(JICC)
このいずれかに確実に金融機関は加盟しており、対応する信用機関に利用者の信用情報が記録されているわけですね。
金融機関が加盟している理由は、審査をより正確に行うためです。
特にカードローンのような「信用」がものをいう金融商品だと、過去に信用情報に傷がある(返済の遅延や滞納、債務整理など)には、なかなかお金を貸しにくいですから。
ただし基本的に信用情報機関に記録されている信用情報は「本人」しか開示することはできません。
仮に本人の同意なく信用情報を公開してしまった場合、個人情報保護法に信用情報機関が違反してしまうことになります。
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
引用:個人情報の保護に関する法律第十六条
つまり特例を除いて、勝手に個人情報を誰にも見せちゃダメという話です。
この特例には企業の採用は一切含まれません。
そもそも企業は応募者の個人情報を見るのは不可能なんですね。
信用情報に関して問題が起こった事例
覚えている方もいるでしょうが、2011年にとある有名な警備会社(ALS○K)が社員全員にJICCから信用記録を取り寄せたうえで、提出するよう求めていたことが表面化しました。
もちろん信用情報の提出を義務化するなんて信じられない話で、世論は厳しいものでした。
結局その警備会社は信用情報の提出義務化を廃止して、すでに提出されていた信用情報は返還されたそうです。
この事例で何を伝えたいかというと、世間は個人情報の取り扱いにはかなり敏感になっているということです。
社員に提出を求めて大きな問題になるくらいですから、まだ雇ってすらいない応募者の信用情報を勝手に調べていたとなると、より大きな問題になることは避けられません。
会社のイメージを悪くするリスクと、応募者の信用情報を勝手に探るメリットでは明らかに釣り合わないのは分かりますよね。
企業のホンネとタテマエ。信用情報を調べているところも?
印象の良くない信用情報(取引記録)。選考が不利になる?
今では勝手に信用情報を調べている企業はないでしょうが、万が一見られた場合に選考に悪影響を及ぼす取引記録は残したくありませんよね。
もちろん良い悪いを判断するのは企業ごとの基準があるでしょうが、明らかに「良い印象は与えないだろうな…」というものがあるので紹介します。
- 長期延滞や滞納(3ヵ月以上)
- 多重債務
- 債務整理(自己破産や任意整理など)
信用情報を調べる企業であれば、まず間違いなく上記の取引記録は悪影響を及ぼします。カードローンでお金を借りることは悪いことではありませんが、借りたお金をきちんと返済していないとなると話は別。
「約束を守らない人間だろう」
「金だけじゃなくて仕事でもだらしなさそうだな」
「お金関係のトラブルを起こすのではないか?」
このように悪い評価を下されても文句は言えません。信用記録に一度傷がついてしまうと、消えるのにかなりの時間がかかってしまうので注意してください。
企業が信用情報を調べる方法と対処法
応募者本人に信用情報の提出を求める
ごくまれにですが、企業側が直接応募者本人に信用情報の提出を求めることもあります。
基本的に本人しか信用情報は開示できないので、企業が調べる正攻法と言っても良いでしょう。
はっきりと言いますが、もし信用情報を提出するよう求められたら断ってください。
信用情報を開示する義務はどこにもないですし、むしろ企業側の規約違反です。突っぱねても何も問題はありません。
もちろんどうしても行きたい企業で、自分には信用情報に一切の傷がないという自負があれば提出しても構いません。
しかし、規約違反を堂々とおかしてくる企業で本当に働く価値があるのかどうか考えるべきでしょう。
本人の同意を得た上で信用情報を照会する
もう一つの正攻法と言えるのが、本人の同意を得た上で企業側が信用情報を調べるという方法です。この場合、本人の同意は紙面上にサインを書く場合がほとんどでしょう。
この方法だと一応企業は信用情報を照会することはできます。しかし、調べた信用情報を選考に利用することはできません。
先ほどと同様に、同意を求められても突っぱねて拒否しても問題ないです。
金融系企業が独自の情報網で信用情報を調べる
就職先を金融系、例えば銀行やクレジットカード会社を考えている方は自分の信用情報が調べられるのは仕方のないことだと考えてください。
金融系の企業は信用情報会社に問い合わせることはしませんが、独自に持っているネットワークで皆さんの信用情報を調べ上げます。
一見横暴にも思える行為ですが、これに関してはお金を扱う職業上当たり前のことなんですよね。
何千万、何億というお金を扱う金融機関で、信用情報に傷がある方に安心して仕事を任せられるでしょうか?横領などされたらたまったものではありません。
カードローンの利用程度で金融機関は絶対通らないことはありませんが、信用情報に傷があると一気に厳しくなるので気をつけてください。
ちなみに金融機関が独自の情報網で信用情報を調べるのを防ぐ手立てはありません。
今後応募するつもりなら、各信用情報機関に自分の信用情報に傷がないのか確認しておきましょう。
企業側が勝手に調べ上げる
流石にやっていないだろうと信じたいところですが、金融系以外の企業が勝手に信用情報を調べている可能性も否定できません。
信用情報機関の規約では「本人の同意」がなければ信用情報は照会できないことが定められていますが、これだけで100%安心できるとは言い難いんですよね。
憶測にすぎませんが、おそらく応募者の信用情報まで知りたがるのは企業イメージを最大限守らなければならない名だたる大企業ばかりのはずです。
表向きは絶対信用情報を見ているとは言わないでしょうが、裏では絶対にばれずに信用情報を照会する術を持っていてもおかしくありません。
あくまで憶測の域をすぎませんが、一個人である応募者が大企業の裏の顔まで知ろうなんて不可能です。防ぐ手立てはないと思ってください。
一応、企業が信用情報機関を利用すると記録が残るので、勝手に信用情報を照会していないか調べることはできます。
しかし、そもそも記録を残さず調べる方法を持っている可能性が高いので、あまり意味はないでしょう。
記録を残そうものなら、今まで何度か問題として発覚してもおかしくありませんから。